緑色のくちびる

浮世絵の美人画で、唇が緑色に塗られているのを見たことはありますか?
あれは「笹紅(ささべに)」といって、紅を何度も塗り重ねて現れた色を表現しているそうです。

紅は、何度も重ね塗りするとだんだん赤い光を吸収して反対色の緑色の光を放ち、玉虫色に見えるようになります。紅は大変高価なものだったので、笹紅の化粧をできるのは裕福な女性だけで一種のステータスでした。
この化粧法が現れたのは江戸時代。本来、口紅は薄く付けるのが美しいとされていましたが、江戸で町人文化が花開いた文化・文政期に一時大流行しました。

実際に玉虫色に光るくちびるは、以下の動画で見ることができます。

2014年春夏の流行色

流行色は、国際流行色委員会によって、2年前から決定されます。これを受けて各国の流行色選定組織(日本ではJAFCA:日本流行色協会)が自国向けに流行色を選定します。

2014年の日本では、以下のような色が女性服向けの流行色として制定されました。

テーマ:
“Quest”クエスト/探求、探索”
変化の速度が速い不安定な社会状況の中、2014年春夏カラーは、使いやすく現実感がありながらも、幸せな気持ちになれたり、新鮮な驚きがあったりといった、感性に訴えかける色が求められる。
http://www.jafca.org/colortrend/ladieswear/2014_ss.html

代表的な色の組み合わせ:
生成のような自然なホワイト、ごく淡い色の入った白系の色に、黒かそれに近いダークトーンを指し色として加えたシンプルでモダンな組み合わせ。

ビビッドでカラフルな色の組み合わせ。光の効果でさらに明るく活動的なイメージを演出することが求められるので、光沢のある素材を使用したり、シルバーやゴールドなどのアクセサリーと組み合わせたりするのが流行しそうです。

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写真から簡単にカラーパレットを作成

写真をアップロードまたはWeb上の写真のURLを指定すると自動的にカラーパレットを生成してくれる「Colors Pallete Generator」をご紹介します。英語のサイトですが、使い方はとても簡単です。

まずは以下のサイトにアクセスします。

Colors Palette Generator
http://www.cssdrive.com/imagepalette/index.php

次にカラーパレットの元にしたい写真をローカルからアップロードするか、画像のURLを指定します。「GET PALETTE」クリックすると、写真に含まれる色を抽出して自動的にカラーパレットが生成されます。
生成されるカラーパレットはライトカラー、ミディアムカラー、ダークカラーの3種類があり、パレットをCSSファイルまたはPhotoshopのスウォッチファイルとしてダウンロードすることもできます。

デザインの雰囲気は色味にも大きく左右されます。イメージを真似したい写真があったら、カラーパレットとして取得してデザインワークに取り入れてみてはどうでしょうか。

■PICK UPサイト

登山を初めたい人へ

卯の花色(うのはないろ)

卯の花色のイメージ

“The Tent- Lilly” by Garrison Gunter / CC BY-SA

ごくわずかに青みがかった真っ白な色のことです。ウツギの花の色に由来しています。
平安の頃から白を表すのに使われてきた伝統的な色名で、卯の花色は雪のように白いと形容されます。

銀鼠(ぎんねず)

銀鼠のイメージ

“Foggy footsteps” by suziesparkle / CC BY-NC-SA

明るい灰色です。銀鼠の銀は金属の銀の輝く色で白と同一視されることもあります。鼠は灰色のことで、明治時代より前は「灰色」という言葉は避けられていたようです。火事になってすべてが灰になることを連想することから、忌み避けられていたという説があります。

鈍色(にびいろ)

鈍色のイメージ

“Dun Laoghaire County Dublin (photographed from the pier)” by William Murphy / CC BY-SA

やや青みがかった灰色です。かつては鈍い色全般を指していたようです。
平安時代には貴族の喪服の色として用いられました。青みをさらに強くした色は「青鈍色(あおにびいろ)」といい、尼僧の服飾などにも用いられました。

涅色(くりいろ)

涅色のイメージ

“Spiral-Structured Lichen” by Fergus Ray Murray / CC BY-NC-SA

茶色がかった黒のことです。涅は川底の黒土を指し、その泥で染めた布の色を涅色といいました。
同じ読みの色名に「栗色(くりいろ)」がありますが、こちらはクリの実の皮のような灰色がかった赤みの茶色で、英語の「マルーン」よりくすんだ色になります。

橡色(つるばみいろ)

橡色のイメージ

“Lausanne by Night 68” by Stephanie Booth / CC BY-NC-SA

黒に近い、濃い灰色です。ツルバミはクヌギの古い名前で、クヌギの木の皮や実であるドングリで染めた布の色に「橡」が使われます。媒染剤によって色味が変わり、鉄媒染だと黒に近い色になります。これが「橡色」で「黒橡(くろつるばみ)」とも呼ばれます。
灰汁を媒染にすると黄色がかった明るい茶色に染まり、この色は「黄橡(きつるばみ)」といいます。

濡烏(ぬれがらす)

濡烏のイメージ

“DSC03002” by Mark Ordonez / CC BY-SA

カラスの羽のような真っ黒のことを指します。「烏羽色(からすばいろ)」「濡れ羽色(ぬればいろ)」とも呼ばれます。
カラスだけでも充分に黒いですが、物は濡れるとより濃い(暗い)色に見えます。このため、「濡れ」をつけて黒さを強調した色となります。また、水に濡れて艶々とした状態も表現します。
似た表現に「漆黒(しっこく)」があり、こちらも漆塗りの黒のような艶のある黒です。

生成色(きなりいろ)

生成色のイメージ

“Hand” by Jon Lebkowsky / CC BY-NC-SA

染色も漂白もしていない、自然のままの繊維の色で、ごく淡く黄色がかった白のことです。
よく似た色に「練色(ねりいろ)」があります。こちらは、漂白していない絹糸の色です。生成色と練色は、色自体にはほとんど差がありませんが、生成色が綿糸由来のために植物性繊維の色によく使われる一方、練色は動物性繊維の色に使われる傾向があります。
アマの茎から採られる繊維であるリネンの色は「亜麻色」と呼ばれます。これは、黄色がかった淡い茶色を指します。

刈安色(かりやすいろ)

刈安色のイメージ

“Yellow” by Zixii / CC BY-NC-SA

イネ科のカリヤスという植物で染めた色で、やや緑がかった鮮やかな黄色です。
カリヤスは日本では古代から染料として広く利用されており、『日本書紀』には万民がこの色の服を着ていたことをうかがわせる記述があります。明るい色彩もあり、なんとなく親しみやすい感じの色です。

梔子色(くちなしいろ)

梔子色のイメージ

“Yellow eye” by Valentina_A / CC BY-NC-SA

クチナシの実で染めたような、やや赤みを帯びたくすんだ黄色です。支子色とも書きます。クチナシが「口無し」に通じることから「いわぬ色」とも呼ばれました。洒落が効いていますね。

山吹色(やまぶきいろ)

山吹色のイメージ

“Amarillo” by ANGELOUX / CC BY-SA

ヤマブキの花の色から取られた、ややオレンジに寄った鮮やかな黄色です。
黄金の色を思わせることから、大判・小判も山吹色と呼ばれました。

柿色(かきいろ)

柿色のイメージ

“De ida” by Alex Briseno / CC BY-NC-SA

熟したカキの実の色のような、赤みがかったオレンジ色です。
カキの色を使った色名はいろいろあり、「照柿(てりがき)」は日に照らされた柿の色で色味としては柿色と同じです。「洗柿(あらいがき)」は洗って褪めた薄い柿色のことで、さらに薄くなった柿色は「洒落柿(しゃれがき)」といいます。
似た名前の「柿渋色(かきしぶいろ)」は、カキの実そのものの色ではなく、カキの実から取った汁(柿渋)で染めた布や紙の色を指し、赤みのある茶色です。

琥珀色(こはくいろ)

琥珀色のイメージ

“Orange Drops” by Randen Pederson / CC BY-SA

琥珀のような茶色がかった黄色のことです。たんに色味だけではなく、琥珀の透明感や艶も想起させる名前です。
似たような名前に、「飴色(あめいろ)」があります。麦芽を加えた水飴の色で、半透明の明るい茶色です。

紅(べに、くれない)

紅のイメージ

“rose” by Srinayan Puppala / CC BY-SA

ベニバナで染めた鮮やかな赤です。やや紫みを帯びています。
くれないという名前は「呉の藍」からきているといいます。呉は『三国志』で有名な魏・呉・蜀の三国のひとつで、三世紀頃に現在の中国にあった国です。藍は藍染ではなく、染料全般を藍と呼んでいたのだそうです。
ベニバナからはごくわずかの紅しかとれず大変貴重なものです。そのため、アカネなどで染めた赤に対し、ベニバナだけで染めた紅を特に「真紅」といいます。

蘇芳色(すおういろ)

蘇芳のイメージ

“IMG_1114” by kevin / CC BY-SA

マメ科のスオウという木の芯で染めた、紫みのくすんだ赤です。
スオウでの染色は、媒染剤によって、赤から紫までの色を作ることができます。このため、高価なベニバナやムラサキの代わりにスオウで紅色や紫色を染めることがありました。スオウで染めた色は、似紅、似紫と呼ばれます。

躑躅色(つつじいろ)

躑躅色のイメージ

“Cinderella’s shoe” by Loles / CC BY-NC-SA

ツツジの花の色に由来する、鮮やかな濃いピンクです。やや紫がかっています。
ツツジは古くから日本に自生し、また交配品種も数多く作られてきました。春から初夏にかけて華やかな色を咲かすツツジは人々の印象に強く残ってきたのでしょう。
英語でも同様の色を、ツツジを指す「アザレア」と呼んでいます。

菖蒲色(あやめいろ・しょうぶいろ)

菖蒲色のイメージ

“pinKsky” by Ol.v!er [H2vPk] / CC BY-NC-SA

紫のアヤメの花のような、やや赤みに寄った紫色です。菖蒲は「あやめ」とも「しょうぶ」とも読みますが、アヤメとショウブは別の種類の植物です。
似た色に、菖蒲色よりも赤みのつよい「杜若色(かきつばたいろ)」があります。

菫色(すみれいろ)

菫色のイメージ

“Eyes” by Evan Leeson / CC BY-NC-SA

スミレの花のような鮮やかな青紫です。
英語の「バイオレット」もスミレの花から名づけられた色名です。一方、紫の仲間でも「パープル」は巻貝から採られる染料で染めた、赤みの紫のことを指します。

茄子紺(なすこん)

茄子紺のイメージ

“Thistle Heart” by Evan Leeson / CC BY-NC-SA

ナスの実のようなごく暗い紫のことです。
日本語以外でも、ナスの実の色は色名として使われており、たとえば英語では「エッグプラント(eggplant)」、フランス語では「オーベルジーヌ(aubergine)」と呼ばれています。

瓶覗き(かめのぞき)

瓶覗きのイメージ

“blue on blue” by Cyndy / CC BY-NC-SA

ごくごく薄い藍色です。瓶覗きの「瓶」とは、染料の藍を入れておく瓶のことです。本来であれば、瓶を覗くとどろどろと濃い藍色が見えるはずなのですが、ちらりと覗いただけなら薄い色しか見えないだろうという遊び心から生まれた名前です。
似た色を表す名前に、白藍(藍白)、白殺しがあります。藍染めは繊維を何度も藍にくぐらせて染色し回数を重ねるごとにその色は濃くなりますが、いちど藍に浸しただけの淡い水色をこう呼びます。

露草色(つゆくさいろ)

露草色のイメージ

“A Summer Sunday in Santa Fe – 04” by Aurelio Asiain / CC BY-NC-SA

ツユクサの花の濃い青ではなく、その花で染めた明るく鮮やかな水色を指します。
布に草花の汁を摺りつけたり、布の上に草や花を置き上からたたいて布に色を移すことを摺り染めといい、もっとも原始的な染色法の一つです。自然の綺麗な色を身に着けたい、生命力を取り込みたいという欲望は古くからあったのでしょう。
同じ色を表す名前に、花染(はなぞめ)、うつし色などがあります。

鴨の羽色(かものはいろ)

鴨の羽色のイメージ

“Hat” by Arria Belli / CC BY-SA

緑みの強い、濃い青です。マガモのオスの頭の色、あるいは羽の光沢のある部分(翼鏡)を思い浮かべてください。
英語でも、カモの羽に由来した「ティールグリーン(teal green)」や「ダックブルー(duck blue)」という色名があります。光を浴びてつやつやと輝く深い色は、時代も地域も問わず人の目を引いたのでしょうね。

鉄紺(てつこん)

鉄紺のイメージ

“boat4” by mike138 / CC BY-SA

少し緑みのある深い紺色です。鉄で染めた色ではなく、藍で染めた色を指します。
紺は藍染を重ねた濃い色全般のことですが、そのなかでも、鉄を焼いた表面の色または鉄の釉薬の色を思わせる色味を持つものを鉄紺といいます。
鉄色(てついろ・くろがねいろ)も似た色です。

萌木色(もえぎいろ)

萌黄色のイメージ

“IMGP1627” by drazz / CC BY-SA

春に顔をだす植物の葉のような黄緑色です。萌黄色とも書きます。
中国にも、同じ色を表すのに「芽緑(ヤーリュー)」「春緑(チュンリュー)」という言葉があります。どの名前からも、春を迎えるよろこびが匂ってきそうです。
同じ読みで漢字違いの「萌葱色」は、葱(ねぎ)の字が与えられている通り、濃い緑色を指す場合もあります。

柳色(やなぎいろ)

柳色のイメージ

“Sheep” by Laurel F / CC BY-SA

柳の葉に由来する黄緑色です。
柳は生命力旺盛なため、魔除けの木としても尊ばれてきました。また、春の早い時期に葉を出し、山桜や梅の淡い紅色とのコントラストが綺麗なことから春の情景としても万葉集の昔から親しまれています。
英語には似た色名で「ウィローグリーン」がありますが、こちらは柳色よりも灰色がかったくすんだ黄緑を指すことが多いようです。